Photo GCHQ本部（2004）- wikipedia
'Fear' driving Chinese state to manipulate tech ecosystem and threaten global security, warns Director GCHQ
Sir Jeremy Fleming delivered the 2022 RUSI Annual Security Lecture
ジェレミー・フレミングGCHQ長官（英情報機関トップ）2022年RUSI年次安全保障講演
ジェレミー・フレミングGCHQ長官（英情報機関トップ）は本日（10/11）中国共産党（CCP）は、権力、自国民、国際的なルールに基づくシステムに対する支配力を失うことを「恐れ」、世界の安全保障を脅かしていると警告した。
ジェレミー・フレミング長官は講演で、中国の指導部は資金力と科学力を駆使して、デジタル通貨から衛星技術まで、戦略的に重要な技術を支配しようとしていると指摘した。英国やその同盟国が繁栄を実現するために科学技術の進歩を求める一方で、中国共産党はそれを「市場や影響圏の人々、自国民を支配することで優位に立つための道具」として使っていると、同氏は述べた。
また、中国の「強大な力と恐怖心が相まって、中国を私たち全てにとって大きな脅威となりうる行動に駆り立てている」という逆説を強調しました。
この脅威の即時性を警告し、今は「我々の未来を決定する」「歴史上のスライドドアの瞬間」であり、同じ志を持つ国々の科学技術コミュニティはこの脅威に対処するために行動しなければならないとも述べた。
ロンドンのサイエンス・ギャラリーで開催されたRUSI年次安全保障講演会で、ジェレミー長官は
「中国の指導者は、閉鎖的な一党独裁体制からその強さと権威を引き出せると考えている。彼らは規模を拡大し、支配することで優位性を確保しようとする。つまり、中国国民の潜在能力を引き出し、支援する方法を探すのではなく、中国国民を支配する機会を見出そうとする。彼らは、国家を潜在的な敵対国か、脅し、買収、強要される潜在的な顧客国のどちらかと見ている」
「党はこのアプローチに自分たちの将来を賭け、その過程で中国人の多くの代替的な未来を閉ざした。彼らは、このシステムに基づく将来の成功が必然であると望んでいる」
「しかし、その根底にあるのは、恐怖心だと思う。自国民、言論の自由、自由貿易、オープンな技術標準、同盟関係、つまり、オープンで民主的な秩序と国際ルールに基づくシステム全体に対する恐怖心だ。中国国民が先進的な経済の構築に取り組む一方で、党がその資源を利用して強権的な国家安全保障法、監視文化、ますます攻撃的な軍事力の行使を実施してきたことは、何ら不思議なことではない」
「そして、その恐怖は、自国民の監視や言論の自由の制限から、金融システムや新しい領域への影響まで、私たちの日常生活を支える技術的な生態系の操作を通じて、発揮されている」と述べた。
中国が国内外に影響力を行使しようとしている例として、ある技術を取り上げた。それは以下のようなものである。
・国家が国民や企業の取引を監視することを可能にする中央銀行デジタル通貨。
中国国家はウクライナ戦争から「教訓を学んでいる」とし、中央銀行デジタル通貨は「中国が現在ロシアのプーチン政権に適用されているような国際制裁を一部回避することを可能にする」と警告している。
・中国共産党が 「あらゆる手段を使って中国の市民や企業に採用を強制」し、世界中に輸出した北斗衛星システム。
ジェレミー長官は「中国は、紛争が発生した場合に他国の宇宙へのアクセスを拒否するドクトリンを掲げ、強力な対衛星（キラー衛星）能力を構築しているとの見方が多い。また、この技術が個人の追跡に利用される恐れもある」と述べた。
・スマートシティは、間違ったテクノロジーを使用すると、監視とデータを輸出する可能性を秘めている。
また、中国が世界各国に技術を輸出して 「顧客経済と政府」 を作ろうとしていると警告した。
ジェレミー長官は、これらの国々は 「隠れたコスト」 で中国の技術を購入することで 「将来を抵当に入れる」 リスクがあると言うだろう。
ジェレミー長官は課題を強調する一方で、科学技術コミュニティの主要なプレイヤーたちに「代替的で競争力のある魅力的なテクノロジーの提供を生み出すことは、社会全体にとって見逃すことのできない機会であることを認識する」と呼びかけた。
「GCHQでは、歴史のスライドドアの瞬間を見ることが私たちの特権であり義務であるときがある。これはそのような瞬間の一つのように感じられる。将来の戦略的技術の優位性は、コミュニティとして次に何をするかにかかっている。私たちは共にそれを我が国に有利に傾けることができると確信している」
演説中、彼はウクライナ戦争についても言及し、次のように述べた。
「彼らのプロパガンダ・マシンが吹き込んだロシア軍の必然的勝利とは程遠く、戦場やサイバー空間でのウクライナの勇気ある行動が流れを変えているのは明らかである」
「プーチンの計画は、すでに2つの大きな軍事戦略に失敗し、ウクライナ防衛の勇気ある現実を目の当たりにした」
「効果的な内部の挑戦がほとんどなく、彼の意思決定には欠陥があることが証明された。これは、判断の戦略的ミスにつながる危険性の高い戦略である。彼らの利益は逆転しつつある。ロシアにとって、人と設備にかかるコストは膨大なものである。彼らの物資と弾薬は底をつきつつあることを我々は知っているし、現地のロシア軍司令官も知っている」
「ロシア軍は疲弊している。強化のための囚人の使用、そして現在の何万人もの経験の浅い徴集兵の動員は、絶望的な状況を物語っている」
「ロシアの人々もそれを理解し始めている。彼らは、プーチンがいかにひどい状況判断を誤ったかを目の当たりにしている。彼らは徴兵から逃れ、もはや旅行もできないことに気づいている。彼らは現代の技術や外部からの影響へのアクセスが大幅に制限されることを知っている。そして彼らは彼の選択した戦争の恐ろしい人的犠牲の大きさを感じている」
原文は以下（英文）
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